MVRV-Zスコアは、ビットコインの時価総額と実現時価総額の乖離を標準化した指標であり、現在の価格が過去の取得コストと比較してどれだけ割高または割安かを示す。オンチェーン分析における代表的な天底判定指標の一つで、CryptoGaugeの5トリガー分析でもT-02として採用している。
計算式
MVRV-Z Score
(時価総額 − 実現時価総額) ÷ 時価総額の標準偏差
時価総額(Market Cap)は現在の価格に流通供給量を掛けた値、実現時価総額(Realized Cap)は各コインが最後に移動した時点の価格を基準に算出した時価総額である。両者の差を標準偏差で割ることで、価格の変動幅を考慮した相対的な乖離度合いを数値化している。単純な時価総額と実現時価総額の差(MVRV比率)よりも、サイクルをまたいだ比較がしやすい点が特徴だ。
ゾーン別の解釈
| スコア帯 | 解釈 | 過去サイクルでの傾向 |
|---|---|---|
| 7.0以上 | 歴史的な過熱圏 | 過去3回のサイクル天井付近で記録 |
| 3.0〜7.0 | 強気相場の上昇局面 | サイクル中盤〜後半でよく見られる水準 |
| 0〜3.0 | 中立〜やや割安 | レンジ相場やサイクル序盤に多い |
| 0未満 | 歴史的な底値圏 | 過去のベアマーケット底で記録 |
過去サイクルの天底との対応
2017年末のサイクル天井ではMVRV-Zが7を大きく上回る水準まで上昇し、その後のベアマーケットでは0を下回るマイナス圏まで下落した。2021年のサイクルでも同様のパターンが確認されており、スコアが極端な水準に達したタイミングは、結果的に価格の転換点と近い時期に重なることが多い。ただし、サイクルごとに過熱の度合いや市場参加者の構成が変化しているため、過去と同じ閾値が今後も機能し続ける保証はない点には注意が必要だ。
CryptoGaugeでの活用
T-02トリガーとして、Price vs 200DMA・Funding Rate・Exchange Netflow・Stablecoin Ratioと組み合わせ、単独の数値だけでなく複数指標の整合性を見て判定スコアを算出している。
限界と注意点
MVRV-Zは長期保有者の含み損益を反映する性質上、新規発行されたコインの増加ペースが鈍化する半減期以降のサイクルでは、過去と同じ絶対値の比較がやや難しくなる傾向がある。単独の指標で売買判断を下すのではなく、NUPLや取引所ネットフローなど他の指標と合わせて、複数の角度から市況を確認することが望ましい。
本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではない。本記事に含まれる過去のサイクル傾向に関する記述は、将来の値動きを保証するものではない。