半減期によってブロック報酬が半分になると、同じハッシュレートを維持するためのコイン1枚あたりの採掘コストは理論上倍増する。この採算悪化に対応できないマイナーが事業継続を断念し、保有していたBTCを売却することで、短期的な売り圧力が市場に発生することがある。
採算悪化のメカニズム
マイニング業界では、電気代やマイニング機材の減価償却費といった固定費がある程度かかる一方、収益はブロック報酬(新規発行されるBTC)とトランザクション手数料に依存している。半減期で報酬が半減すると、効率の悪い旧型機材を使用するマイナーや、電気代の高い地域で操業するマイナーから順に採算が合わなくなっていく。
ハッシュレートの調整
採算の取れないマイナーが撤退すると、ネットワーク全体のハッシュレートが一時的に低下する。その後、ビットコインのプロトコルに組み込まれた難易度調整メカニズムが働き、残ったマイナーの採算が相対的に改善していくというプロセスをたどる。これがHash Ribbons指標で観測される降伏から回復への移行パターンに対応する。
価格への波及
撤退するマイナーが保有BTCを売却することで、半減期後の一定期間は供給増加圧力が一時的に強まる可能性がある。一方で長期的には新規発行ペースの鈍化という供給抑制効果も働くため、短期と長期で異なる方向の力が同時に作用する点に留意が必要だ。
本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではない。本記事に含まれる過去のサイクル傾向や分析手法に関する記述は、将来の値動きを保証するものではない。